公募要領
領域省略名:スクラップビルド
領域番号:3802
研究期間:平成28〜32年度
領域代表者:榎本 和生
所属機関:東京大学大学院理学系研究科
生物は、発生や環境変化に応答して、体内構造の一部を破壊(スクラップ)するとともに新たな構造を創造(ビルド)することにより機能再編を実現する。とくに脳神経系では、神経細胞と神経細胞の繋ぎ目である数ミクロン単位のシナプスから、その数万倍に相当する脳領野内や領野を越えた神経ネットワークに至る、ミクロからマクロレベルのスケールにおいてシームレスに破壊と創造が生涯にわたり起こる。そのため、細胞単位では細胞死による除去だけではなく、神経突起やシナプスなど「生きたままの細胞」の一部だけを除去・改変する過程が顕著にみられる。本領域では、脳神経系におけるスクラップ&ビルドが、ミクロレベルからマクロレベル、発達期から成熟後において、どのような分子機構によって時空間的に制御され神経回路の機能発現を担っているのかを明らかにすることを目的とする。
研究項目A01では神経回路のスクラップとビルドを実行する分子細胞基盤、A02ではスクラップとビルドを時空間的に連動させる制御メカニズム、A03では神経回路スクラップ&ビルドによる脳発達や脳機能制御と、その破綻による疾患メカニズムの解明を目指す研究を対象とする。とくに、(1) 無脊椎動物からヒトに至るまで、様々な動物種をモデルとして、それぞれの特徴を活かした神経回路スクラップ&ビルドの共通原理と特殊原理を明らかにする提案、(2)斬新な研究手法(イメージング法、光操作法、数理モデリング、1細胞オミックスなど)に基づき神経回路スクラップ&ビルドの制御メカニズム解明に迫る提案、 (3)計画研究に補完する切り口(細胞内分解システム、細胞接着、細胞外環境、エピジェネティクスなど)から神経回路スクラップ&ビルドの本質に迫る提案を期待する。また、領域において共同研究を積極的に推進する提案や、萌芽的ではあるが新たな研究の方向性を示す独創的な研究を行っている若手研究者による意欲的な提案を歓迎する。
研究項目 | 応募上限額 | 採択目安件数 |
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A01 神経回路スクラップ&ビルドの分子・細胞基盤 | 500万円 | 15件 |
A02 神経回路スクラップ&ビルドのネットワーク制御 | ||
A03 神経回路スクラップ&ビルドによる脳機能制御 |